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波乗りのルールとマナーについてとても詳しく説明されてますのでここで紹介したいと思います。
すべてを理解し実行するのは大変かもしれませんが皆が気持ち良く波乗りをする為には必要なことです。
世界における正しいル-ルとマナ-
翻訳 佐藤大地
改訂 船木三秀
(1) 正しいサーフスポットを自分のレベルと照らし合わせて発見すること。そうしたら潮、つまりカレントの強弱や方向、岩、隠れ岩棚等を流れ内に見つけ、長時間かけて状況判断してから海に入ること。自分のレベルに正直に、決して無理をしない。サーファーのレベルが高い、もしくは競争率の高いサーフブレイクが自分に合うか認識してから入る事。
その日のサーフスポットの選択は各自が責任を持って、快適にサーフィンができる波を選ばなくてはならない。波が掘れている、強い、ということは高い技術を必要とする。例えば稲村や名のあるリーフブレイク、または地形の決まった河口のような世界的ブレイクではほとんどのサーファーが熟練していて、競争率が高くても自分の技術を発揮できる。そのようなブレイクでは一般的にうまいサーファーがより多くの波に乗る。また高い緊張感がそれぞれのサーファーにはあり、そのポイントでのペースを保っている。
反対に、ソフトで、簡単に乗れる、きわどくない波、(例えば御宿、鵠沼、伊勢)は、通常多くの初心者あるいは中級者が集まる。またラインアップの雰囲気はリラックスした雰囲気が多い。
ブレイクの多くは、その日の波質、うねりの向き、人の混み方によって変わる。
もし自分のレベルに合わないラインアップに入る事によって、いらつかせてしまったり、他のサーファーを邪魔することを避けることが重要。もし上級者でなく、初期の段階、つまりビギナーがレベルが高いポイントでサーフィンする場合は、他のサーファーまでもを危険にさらす、という認識が必要。また向上心の強いサーファーが、闘争心を剥き出して波を追いかけていることは、他のサーファーに嫌な思いをさせる事を知る事。ブレイクの正しい選択は、多くの人を嫌な思いから遠ざけることができる。
(2) 前乗り、スネークインは絶対にしない。
もし、他のサーファーが奥のポジションから波に反応している、もしくは有効なポジションからパドルしている場合はその波に乗らない。
前乗りとスネークインの共通点はお互いのサーファーの楽しみを台無しにしてしまう事。どちらも波への貪欲から発生し、他のサーファーの妨害をしてしまうだろう。
a. 前乗りは次のように起こる。サーファーAはカールに接近している、波に乗るためパドル開始、波を捕らえるが、サーファーBがさらにショルダーから波を捕らえる。その後、サーファーAはライディングを妨害される。2人のサーファーは偶然、もしくは故意に衝突。どちらもその波を十分楽しんだとは言えない。結果として大事故につながるケースもある。
b. 前乗りは混み合ったラインアップでのいらつきによりさらに起こりやすくなる。前乗りを避けるには3つのLを実行すること。Look, Listen, Learn(見る、聞く、学習する)、乗る波へアプローチする際には誰も乗ってない、またはピークからパドルしてない事を確認してからパドルを始めること。ピークから乗ってくるサーファーの声やホイッスルに聞き耳を立てる。もし前乗りしてしまったら、そこからきちんと学ぶ。前乗りしてしまったら速やかにプルアウトする。「ごめんなさい」、または「すみませんでした」の一言を忘れずに言い、またそのサーファーが大丈夫だったどうか確認する。
c. スネークインはもっとも悪いマナー違反のひとつ。ガツガツした競争心の強いサーファー、または貪欲な波への欲求から起こりやすい。スネークインは次のようにして起こる。サーファーAはポジションで自分の順番を待ち、来た波に対してパドルを始める。サーファーB(スネークイン)はサーファーAが波に乗る事に集中するのを待ってから、素早くインサイド(この場合では奥)に行きテイクオフ、そしてこれは“自分の波”だと主張する。両方のサーファーが波に乗っていると、サーファーAが前乗りをしてしまったように悪く映るときがあるが、お互いだけではなく、最初から見ていた周りのサーファーにマナー違反はわかるだろう。
日本では悲しきかな、前乗りという言葉を悪用したこのスネークインが多いように思える。スネークインの事故は滅多に起きないので、前乗りとは区別できる。もし、サーファーAが競争心の強いサーファーだとしたら、悪い雰囲気や更には言い争いが起きるだろう。もしあなたがスネークインを今まで善しとし、繰り返しやっていたら今すぐに止めましょう。他のブレイクに移動し、ラインアップのリズムに自分を置く。もし他のサーファーにスネークインされ続けたら、そのポジションから移動する。またはもっと奥からパドルし波に乗る意思を明確にするといいでしょう。
(3) 初心者サーファーへ
時々、前乗りやスネークインのルールを破っているサーファーを見るかもしれないが、お互いがにっこり笑っていたら、それは明らかに波を分かち合う事を楽しんでいるので問題にすることはない。友人や知人と同じ波に意図的にテイクオフや、全く気付かず故意に前乗りしている場合は前乗りやスネークインは必ずしも常にルール違反、マナー違反だとは限らない。
(4) パドルアウトしている際、またはセクションの中にいる時、波に乗ってきているサーファーから避けるのはパドルアウトしているサーファーの責任。
a. これは「前乗りをしない」というルールと同じ考えで、一旦サーファーが波にテイクオフしたら、他のすべてのサーファーは波に乗ったサーファーの邪魔をしないようにするべきだろう。極めて危険なので、状況を判断し、時には波の進行方向とは逆に逃げることも必要だ。
b. まずはポイントブレイク。これは波の崩れている箇所より少し遠回りにパドルすることによりテイクオフポジション、サーフラインへ近づくことから回避できる。全てのサーファーがパドル中のサーファーを避ける技術があるとは限らない。従って常にブレイクから遠回りしてパドルアウトするようにする。他のサーファーのライディングを邪魔しないように確認してからパドルアウトする義務がある。
c. ビーチブレイク等で、スープに捕まっている状態から沖のラインアップへ戻る時、波に乗ってきているサーファーの進路を邪魔しない。自分のポジションを保ち、セットをやり過ごすまで無理に沖へ向かおうとしない。セットをやり過ごしたら、乗ってくるサーファーの邪魔にならないように遠回りし、できるだけ早くパドルアウト。浅いチューブセクションを遠回りせずに正面から出て行き、バレルを抜けてくるサーファーを邪魔してしまう事は最悪のマナー違反です。
d. 他のサーファーのテイクオフポジションの進路を邪魔しない。そのサーファーはテイクオフできるが、してしまうと大きな事故につながる。そしてテイクオフを実際にすると邪魔したサーファーは怪我をする可能性が高い。そんな状況にならないよう、横につまり乗ろうとしているサーファーの進行方向の逆に動くことが大切。もしサーファーがあなたの上にテイクオフしてきたら重大事故になる確率は非常に高い。
(5) 自分の順番が回ってくる事を学ぶ。
a. サーフィンをしに来ているのだからどのサーファーも波には乗りたいのだ。しかし私達一人ずつのための地球ではないのと同様に、いつでも波を他のサーファーと分かち合う事を意識する事。
b. 波を分かち合う事はほとんどのブレイクで見られる。そのポイントの自然な状態やそのポイントに入っているサーファーの態度、レベルなどによって大きく変わる。
c.リーフブレイクでのテイクオフポジションは一定の場所で決まっている。理想はそれぞれのサーファーが波に乗る順番を守る事だ。これは周りが仲間だけなら簡単な話だが、深いポジションにいるサーファーがどんどん波に乗っていってしまうので、 混んでいるポイントでは難しい。
d. マナーは次のような状況で変わることがある。波を読む事に長けているサーファーは余分に波に乗れる事が多い、また狙っている波に乗るチャンスが多い。もしセットを順番に待っている状態で、サーファーAはインサイド寄りにポジションをとっている場合は他のサーファーはサーファーAを小さめの波に乗せるべき。しかしサーファーAは奥で割れるセットに乗れる権利はない。順番を守っている状況ではよいポジションで順番を守って波に乗る事はそれぞれのサーファーの義務。
e. 2、3のセクションがあるポイントブレイクではそれぞれのセクションでグループが作られ、リーフブレイクの様に順番に波に乗り始める。もし奥のセクションからサーファーが波に乗ってきていて、その波を更に乗っていけそうな場合は他のサーファーは邪魔をしないようにするべきだ。もっともよくある最悪のマナー違反は、他のサーファーが乗ってきているのにその波にパドルをする事だ。サーファーAは奥から波に乗ってきている、そしてサーファーBはサーファーAがセクションをメイクできないと思い、その波へパドルを開始。サーファーAが近くに来たためサーファーBはパドルを止める。サーファーBのパドルのおかげでリップは崩れ始め、結果としてサーファーAの前で波が崩れてしまう。サーファーAはワイプアウトまたはスープに捕まる。波は誰にも乗られないまま崩れていく。サーファーBの迷惑パドルの結果だ。
f. ポイントブレイクやリーフブレイクではサーファーが奥過ぎるポジションや全く外れているポジションにいて、セクションを無駄にしてしまったり、行こうとして行かない事で他の待っていたサーファーが波に乗れず誰にも乗られない波にしてしまうことで、そのポイントでの雰囲気が壊されてしまう。これはいつでもそうだが、前乗りを引き起こしてしまい、奥のポジションのサーファーの失敗を予期してショルダーで待っているサーファーたちが波の取り合いを始めてしまう。
いつでも思うことだが、最初はショルダー側でテイクオフして行き、自信がついてからピーク波にアプローチしていくのが正しいように思える。
g. ビーチブレイクではブレイクするポイントが変わりやすいのでテイクオフポジションが散らばる為、たくさん波に乗れるだろう。従ってそれぞれのサーファーが決まった順序で波に乗れる。気にしておいてもらいたい事は、もし違うブレイクへ移動するなら、違う雰囲気、ルールが存在している事に気を配ることだ。そして他のサーファーと波を分かち合えるポジションへ移動する準備を速やかにし、学習し全員が楽しめるように気を配ること。
h. ビーチブレイク、リーフブレイクではピークでのマナーも必要。もしライトにもレフトにも行ける、良いポジションにもう一人のサーファーといたら、ピークをそのサーファーと分け合うべき。つまりライトへ乗ったらもう一人はレフトへ。それには乗る前に確認し合う事がキーポイント。両方のサーファーがお互い反対に行くなら良いが、もう一人のサーファーが前乗りを許していない限り確認した方がよい。お互い声を出して確認し合い、素早くどちらへ行くか決めると無駄な波が減り、結果多くの人が満足できる日になるだろうから。
i. 岬等のラインナップへ行く方法は、岩から飛び降り、ポイントの沖からパドルしていく等があり、すぐにテイクオフポジションへ行けるが、そのような場合はいきなりテイクオフポジションに行き順番をかき乱さない。先にいたサーファーが波に乗って、ラインアップがクリアになってからテイクオフポジションへ移動。または大回りしながら先にいるサーファーたちを気遣いながら、徐々にテイクオフポジションへ移動する事。fに通じる同様なことだろう。
j. 時々ラインアップに待つ人が多すぎて、波の数と人の数が合わない事がある。そんな場合は順番を守るという思いやりからかけ離れしまいがち。ラインアップは“乗ったもの勝ち”的な雰囲気になり、そこには秩序や規則はなくなってしまう。そんな場面では何がそこで起きているのかを判断し、自分をそこに合わせる事。もしできないなら、他のポイントへ移動した方が楽しく波に乗れることになるだろう。
(6) どんな時でもサーフィンレベル、道具、地位に関係なく、ラインアップ上の雰囲気を壊さない。
時間、日付、ブレイク、またはサーファーの態度でラインアップの“バイブ(雰囲気)”は大きく変わってしまう。その日の楽しさは“雰囲気”による影響が大きい。とりわけ、サーファーによる影響がほとんどだろう。普通に話している、それだけでラインアップの雰囲気は豹変することもある。一日のサイクルによって同じブレイクでも時間がずれるだけで様子が大きく変わる。朝一番、遅めの朝、昼時、または仕事後の夕方など、一日を通して状態が全く変わる事はサーファーならよくわかるはずだ。
ラインアップの“雰囲気”は時間帯だけでは予想しにくい。推測だけでいつも決めつけるのは良くない。例えば、ポイントブレイクやリーフブレイク等のテイクオフの位置が一定の場所では、サーファーは波を分かち合うように自然と流れや順番ができる。もしそのラインアップに一人、無意識にその流れを潰してしまうと、そんな理想的だった流れは豹変し、憎しみまでもが起きてしまったりもする。
従って海に入る前は、ラインアップの“雰囲気”を読み取ってから常に海に入る様に心がける。例えば、海から上がってきたサーファーに聞く。「混んでいるように見えますが雰囲気はどうでした?」、「いい波に乗れましたか?」などの簡単な質問でラインアップのインフォメーションを知る事ができ、事前にトラブルから避けられる。
波に貪欲なサーファーが多いラインアップでは叫んでいる声が聞こえるだろう。そんな時は一つの波に一人がパドルしている事はないだろう。きっと常に何人かのサーファーが波に乗ろうとしているのが映るはずだ。簡単で素速くそれを見極める方法はある。10分間そのブレイクを観察するといい。メローなラインアップではそれぞれのサーファーが邪魔する事なくパドルアウトして、また誰にも乗られない波があり、それはきっとあなたの波になるだろう。
どんな場合でも、パドルアウトする時はラインアップの“雰囲気”に合わせるのはあなたの責任。もしその雰囲気に合わせられそうもないなら、他のブレイクで自分にマッチしそうな場所を選ぶべき。
(7) トラブルに巻き込まれているサーファーを助ける。しかし自分も巻き込まれない様にする。2人のサーファーがトラブルに巻き込まれ、助けを求めるのは一人が求めるよりも深刻な事態を招く。
場所や時間によって事故が起こってもすぐに手当を受けられるとは限らない。また、助けを求めても助けられなければ最悪の事態を招く。
身体的な安全を最優先させる。
海の中では陸の様に医者の手当を待っていられる訳ではない。海は絶えず変化し、流れ動いている。従って、他のサーファーがトラブルに巻き込まれている事をすぐに見つけられるとは限らない。結果、他のサーファーがトラブルに巻き込まれていたら、すぐに何かしら助ける為に動く事が大事。ひとりのサーファーが助けに行ったら、他のサーファーを呼びチームワークで働こう。サーフボードや波の力を利用し、怪我を負っているサーファーをすぐに岸へ上げる。ただしチームワークが常に早いとは限らない。トラブルに巻き込まれているサーファーと同じ境遇に自分が巻き込まれない様にすることも念頭に入れる。
初心者は人のいる場所でサーフィンするべき。つまり絶対一人でサーフィンはしない。海でのトラブルはいつ起こるかわからないから。
(8) 旅行で訪れたサーフブレイクではローカルサーファーへのリスペクトを忘れない。彼らの権利や習慣が常に自分のルールが当てはまるとは限らない。
ローカルとはそのブレイクのそばに住んでいるからだけでなく、そこの為に様々な事をやってきて、長い歴史を見守って来た人達だ。波が最高の日から最低な日、人が混んでいる日から空いている日。うねりの大きかった日。プロサーファーが訪れセッションした日。あなたがすばらしい波でケリー・スレーター、トム・カレン、もしくはジェリー・ロペスさんになったつもりでサーフィンできるのは、全てはローカルサーファーがその海域を温かく見守ってくれたからこそである。ローカルから波を分けてもらえない原因はあなた自身による事が多い。
いつもサーフィンしている場所でのルールが旅先で当てはまるとは限らない。旅に出ると考えや習慣の違いがビジターとローカルの間にあり、それがトラブルの原因にもなりやすい。従って、トラベルサーファーに重要な事は、初めて入るポイントのエチケットやルールをよく観察し知ってから入る事。
a. 時間を取ること。何時間、何日運転したもしくは何時間飛行機に乗ってそこに着いた等は関係なく、基本的なルールは同じ。慌てずにラインアップを最低1時間は観察し、乗られていない波が何本あるか、どのエリアにサーファーがいて、どの波に乗っているか、誰が波に上手に乗るのか等を頭に入れておく。
b. 大人数で旅をしない。行き先のポイントに大人数で入る影響を考える。3人の楽しいブレイクに5人のサーファーが現れ、入っていった場合はラインアップの雰囲気はがらりと変わってしまう。もしそんな人数で新しいサーフブレイクに行くなら、海の中での人数に細心の注意を払う事。そして時間差をきちんと取る事。海に入っていたサーファーが一人上がってきたら、一人分のスペースが空く。そうしたら一人入る。もし何人かすでに入っていたら、その人数から25%以上人が増える事を避けなければならない。
c. ローカルのペースに合わせる。世界のほとんどのポイントで似通った基本的なルールがあるが、そこには何百ものローカライズされたエチケットが存在する。いくつかのポイントではドロップインですらオーケーとされている。そういったポイントではそういう行為を受け入れてサーフィンするかは自分次第だ。周りのサーファーにリズムを合わせ譲ってくれた波に乗る、もしくは波を譲る。そうしていくうちに、ラインアップの様々な雰囲気を良く観察し、ローカルの行動を読み自分の役割を全うする。
d. ローカルサーファーを馬鹿にしない。自分たちよりレベルが低いなど関係ない。そのブレイクを乗っ取る気持ちで入ると、ローカルは確実に優れたその場所の知識を生かし、あなたを困らせたり、ストレスを与えるような行動に出るだろう。もしそんな事をやり続けてしまうと、みんなの楽しみを台無しにしてしまう。ローカルサーファーがあなたの行動に満足し、セットを譲ってくれる様になるまで、謙虚になりローカルサーファーのペースに合わせよう。
e. ポイントをきれいに残して去る。ゴミだけの事でなく、いろいろな意味できれいに去る。そのポイントから去る時は良い印象を残していく。海の中でかっこ悪い事やマナーの悪い事をやってしまうと次にやってくるトラベルサーファーへローカルは不信感を持ってしまう。従って、サーフィンした後は、そのポイントを分かち合ってくれたローカルにありがとうの気持ちを忘れずに、誤ってドロップインしてしまったら忘れずに謝る。そうすればローカルは気持ちよく迎えてくれるだろう。シンプルなエチケットやマナーを守っていれば誰でも気持ちよくサーフィンできるのだ。
(9) 他のサーファーに悪態をつかない。例えばサーフボードの長さ、波乗り能力、レベル、ローカル知識や権限、そして身体的強さ等を利用して他のサーファーを罵らない。
自分に有利な点がある事を進んで理解し、複雑なこのエチケットを理解する。全てのロングボーダーではどこでもショートボーダーよりもパドルが早いのを理解して、ラインナップに加わる事。あなたが顔馴染みのローカルが多くても、プロサーファーだったとしても、喧嘩好きなマーシャルアーツの達人でもだ。
どのサーファーでも海に入れば波に乗りたい、その為に自分の持っている有利な点を使いたがるのは自然な事だ。でもこう考えます。あなたよりも大きな有利点を持っている人がいる。例えば体つきも大きく、うまいロングボーダーだったとする。その人はその場所での権限もあり、生まれつき短気で強欲で、来る波は全部乗る。あなたはこの人と同じ場所で波乗りしたいですか?私の答えはノーです。
「サーフィンは楽しむのが一番」という世界があります。その反対側には弱肉強食な競争があります。それは避け、その競争の一部にならないようにしましょう。
従って、サーフィンエチケットとして、自分の有利な点を認識し、適切な行動をしましょう。ここでその有利な点と適切な行動を紹介してみます。
a. ローカルサーファーは常に他のサーファーが波に乗る権利がある事を理解するべきでしょう。それが波への知識を高め、責任と同様、利点もある事を理解するのです。責任とは波を分かち合うリズムへと導き、他のトラブルを起こしそうなサーファーに気をつけることにもつながります。年上のサーファーが年下のサーファーに威張り散らしていたら止めさせる、そして子供のサーファーや初心者のために波を待つ位置やカレントを知らせてあげる。これらの責任を守る事により、利点がもたらされるだろう。(ピークにいる全員が初心者に邪魔されなくなる)しかし状況を無視し続け、エゴだけでローカルが波に乗り続けると、そこの雰囲気は最悪になるだろう。
b. 先にも書いたが、ロングボーダーはパドルが有利だという事を認識すること。もしそれを乱用すれば、他のサーファーから恨みや敵対心を買う事になる。ロングボーダーは波を分かち合う雰囲気により気を使わなければならない。そして全体の楽しもうとするリズムを壊さないよう注意する。ショルダーからそのパドルスピードを利用して早くテイクオフし、ショートボーダーのテイクオフポジションを巻いて(フェイド)乗って行くのは最悪のエチケットだ。
c. プロサーファーがどこでも他の誰よりも有利なのはあきらか。パドルスピードや波のチョイス、奥からテイクオフできる能力。そこでプロサーファーは常に他のサーファーたちがコンテストの経験があるのではない事を良く理解すること。またプロサーファーが周りにいると、他のサーファーは緊張したり、自分のサーフィンを恥ずかしいと思ってしまう事もある。あなたがプロサーファーやいいサーファーならば波を譲ってあげたり、礼儀正しくすることでブレイクの雰囲気はさらに良くなるだろう。
d. 体の大きい、もしくは年配のサーファーは存在だけで若いサーファーが引いてしまうことがある。従って、他のサーファーが怖がるような行動は避ける。これはCに挙げたプロと同様で、その場所での雰囲気を良い方向に持ってくためにいつも努めるべきだ。
(10) 旅先では地味な色のウエットスーツを着用する。
これは目立たないように、という意味です。もしあなたが蛍光色や単色で明るい色のウエットスーツを着ていたら、遠くからあなたがラインナップにやって来ることがわかるでしょう。あなたのマナーを見せる前に「キザな奴」というレッテルを貼られてしまうのを防ぎ、また標的にされることを避けるためです。またカリフォルニアではプロサーファーだけが色つきのウエットスーツを着ても良い、という暗黙の了解があります。
(11) 常に自分のボードには責任を持ち、他サーファーに注意する。
もしこれを無視すると、人に怪我をさせる事にまでなってしまう。それを避けるには絶対に板を離さない。リーシュコードを頼ってボードを離し、スープを避けようとするのは人がいない時のみにする。自分のすぐ後ろにいるサーファーにも気を配ること。もしリーシュが切れてしまえばそのサーファーは怪我を追う事になる。特にロングボードやガンを使う人は注意する。セットが来るたびにボードを離している、また離さなくてはいけないようなコンディションは自分には合っていないブレイクだという事を認識すること。
板の手入れをする。鋭利なフィンは紙ヤスリで丸めておく、ガラスクロスが割れたままの状態、またノーズが壊れたままというのは他サーファーを危険にさらしているのだ。その傷がリーシュコードを切れやすくし、ボードを流す原因にもつながるのだ。
(12) もし人のサーフボードを壊した場合はリペアをする、もしくはお互いが納得するまで話し合うこと。
(13) リラックスしてサーフィンを楽しむ。
世界中どこに行っても他サーファーは入ってくるのだから、それを受け止めて気持ちよく楽しむ事がキーポイントです。
全米#1サーフサイト、サーフラインコムのDrew Kampion曰く、“人生とは波で、あなたの態度があなたのサーフボードだ” と表現しました。混雑したラインアップでは、個人それぞれのポジティブな行動で雰囲気は落ち着くし変化する。自然にポジティブな態度を取れる人も入れば、そうでない人もいる。これは真実で、海陸の上の態度は作られるのであって、勝手に生まれることはない。ここでそのポジティブ(=前向きな、高度な)ヒントをいくつか紹介する。
一つの場所にこだわらず、様々な場所でサーフィンする。そうすることにより、自動的に混雑中での読みやどう対処するかを各地のサーファーから学べる。
ラインアップの中にいる他のサーファーも自分と同じで波に乗りたいという気持ちは一緒という事を理解する。これには意識的な努力が必要とされる。どのサーファーも本能的に波に多く乗りたい。しかし「他のサーファーにも自分と同じくらい波に乗り、楽しみたい」と自分に言い聞かせる。そんな態度から自分に余裕ができ、混んでいてもその余裕を持つことによって楽しさにどれだけの違いがあるか驚くでしょう。
スマイル。特に年配のサーファーがやると良いです。駆け出しサーファーのマナーの悪さやスキルの無さに苛つき、耐えられないこともあるかもしれないが、怒鳴ったりすることでラインアップに怒りと恐怖をもたらし自分のサーフセッションも台無しどころか、ラインアップの雰囲気も悪くなる。初心者サーファーは恐がり自分の身を守る事だけでサーフィンする事になってしまう。しかし優しい言葉やアドバイスをしてくれた人の事は忘れません。そしてそれが次のサーファー達へと受け継がれていくのです。
これが私達が教えられる混み合ったラインアップの中で楽にいられる方法です。
すべてを理解し実行するのは大変かもしれませんが皆が気持ち良く波乗りをする為には必要なことです。
世界における正しいル-ルとマナ-
翻訳 佐藤大地
改訂 船木三秀
(1) 正しいサーフスポットを自分のレベルと照らし合わせて発見すること。そうしたら潮、つまりカレントの強弱や方向、岩、隠れ岩棚等を流れ内に見つけ、長時間かけて状況判断してから海に入ること。自分のレベルに正直に、決して無理をしない。サーファーのレベルが高い、もしくは競争率の高いサーフブレイクが自分に合うか認識してから入る事。
その日のサーフスポットの選択は各自が責任を持って、快適にサーフィンができる波を選ばなくてはならない。波が掘れている、強い、ということは高い技術を必要とする。例えば稲村や名のあるリーフブレイク、または地形の決まった河口のような世界的ブレイクではほとんどのサーファーが熟練していて、競争率が高くても自分の技術を発揮できる。そのようなブレイクでは一般的にうまいサーファーがより多くの波に乗る。また高い緊張感がそれぞれのサーファーにはあり、そのポイントでのペースを保っている。
反対に、ソフトで、簡単に乗れる、きわどくない波、(例えば御宿、鵠沼、伊勢)は、通常多くの初心者あるいは中級者が集まる。またラインアップの雰囲気はリラックスした雰囲気が多い。
ブレイクの多くは、その日の波質、うねりの向き、人の混み方によって変わる。
もし自分のレベルに合わないラインアップに入る事によって、いらつかせてしまったり、他のサーファーを邪魔することを避けることが重要。もし上級者でなく、初期の段階、つまりビギナーがレベルが高いポイントでサーフィンする場合は、他のサーファーまでもを危険にさらす、という認識が必要。また向上心の強いサーファーが、闘争心を剥き出して波を追いかけていることは、他のサーファーに嫌な思いをさせる事を知る事。ブレイクの正しい選択は、多くの人を嫌な思いから遠ざけることができる。
(2) 前乗り、スネークインは絶対にしない。
もし、他のサーファーが奥のポジションから波に反応している、もしくは有効なポジションからパドルしている場合はその波に乗らない。
前乗りとスネークインの共通点はお互いのサーファーの楽しみを台無しにしてしまう事。どちらも波への貪欲から発生し、他のサーファーの妨害をしてしまうだろう。
a. 前乗りは次のように起こる。サーファーAはカールに接近している、波に乗るためパドル開始、波を捕らえるが、サーファーBがさらにショルダーから波を捕らえる。その後、サーファーAはライディングを妨害される。2人のサーファーは偶然、もしくは故意に衝突。どちらもその波を十分楽しんだとは言えない。結果として大事故につながるケースもある。
b. 前乗りは混み合ったラインアップでのいらつきによりさらに起こりやすくなる。前乗りを避けるには3つのLを実行すること。Look, Listen, Learn(見る、聞く、学習する)、乗る波へアプローチする際には誰も乗ってない、またはピークからパドルしてない事を確認してからパドルを始めること。ピークから乗ってくるサーファーの声やホイッスルに聞き耳を立てる。もし前乗りしてしまったら、そこからきちんと学ぶ。前乗りしてしまったら速やかにプルアウトする。「ごめんなさい」、または「すみませんでした」の一言を忘れずに言い、またそのサーファーが大丈夫だったどうか確認する。
c. スネークインはもっとも悪いマナー違反のひとつ。ガツガツした競争心の強いサーファー、または貪欲な波への欲求から起こりやすい。スネークインは次のようにして起こる。サーファーAはポジションで自分の順番を待ち、来た波に対してパドルを始める。サーファーB(スネークイン)はサーファーAが波に乗る事に集中するのを待ってから、素早くインサイド(この場合では奥)に行きテイクオフ、そしてこれは“自分の波”だと主張する。両方のサーファーが波に乗っていると、サーファーAが前乗りをしてしまったように悪く映るときがあるが、お互いだけではなく、最初から見ていた周りのサーファーにマナー違反はわかるだろう。
日本では悲しきかな、前乗りという言葉を悪用したこのスネークインが多いように思える。スネークインの事故は滅多に起きないので、前乗りとは区別できる。もし、サーファーAが競争心の強いサーファーだとしたら、悪い雰囲気や更には言い争いが起きるだろう。もしあなたがスネークインを今まで善しとし、繰り返しやっていたら今すぐに止めましょう。他のブレイクに移動し、ラインアップのリズムに自分を置く。もし他のサーファーにスネークインされ続けたら、そのポジションから移動する。またはもっと奥からパドルし波に乗る意思を明確にするといいでしょう。
(3) 初心者サーファーへ
時々、前乗りやスネークインのルールを破っているサーファーを見るかもしれないが、お互いがにっこり笑っていたら、それは明らかに波を分かち合う事を楽しんでいるので問題にすることはない。友人や知人と同じ波に意図的にテイクオフや、全く気付かず故意に前乗りしている場合は前乗りやスネークインは必ずしも常にルール違反、マナー違反だとは限らない。
(4) パドルアウトしている際、またはセクションの中にいる時、波に乗ってきているサーファーから避けるのはパドルアウトしているサーファーの責任。
a. これは「前乗りをしない」というルールと同じ考えで、一旦サーファーが波にテイクオフしたら、他のすべてのサーファーは波に乗ったサーファーの邪魔をしないようにするべきだろう。極めて危険なので、状況を判断し、時には波の進行方向とは逆に逃げることも必要だ。
b. まずはポイントブレイク。これは波の崩れている箇所より少し遠回りにパドルすることによりテイクオフポジション、サーフラインへ近づくことから回避できる。全てのサーファーがパドル中のサーファーを避ける技術があるとは限らない。従って常にブレイクから遠回りしてパドルアウトするようにする。他のサーファーのライディングを邪魔しないように確認してからパドルアウトする義務がある。
c. ビーチブレイク等で、スープに捕まっている状態から沖のラインアップへ戻る時、波に乗ってきているサーファーの進路を邪魔しない。自分のポジションを保ち、セットをやり過ごすまで無理に沖へ向かおうとしない。セットをやり過ごしたら、乗ってくるサーファーの邪魔にならないように遠回りし、できるだけ早くパドルアウト。浅いチューブセクションを遠回りせずに正面から出て行き、バレルを抜けてくるサーファーを邪魔してしまう事は最悪のマナー違反です。
d. 他のサーファーのテイクオフポジションの進路を邪魔しない。そのサーファーはテイクオフできるが、してしまうと大きな事故につながる。そしてテイクオフを実際にすると邪魔したサーファーは怪我をする可能性が高い。そんな状況にならないよう、横につまり乗ろうとしているサーファーの進行方向の逆に動くことが大切。もしサーファーがあなたの上にテイクオフしてきたら重大事故になる確率は非常に高い。
(5) 自分の順番が回ってくる事を学ぶ。
a. サーフィンをしに来ているのだからどのサーファーも波には乗りたいのだ。しかし私達一人ずつのための地球ではないのと同様に、いつでも波を他のサーファーと分かち合う事を意識する事。
b. 波を分かち合う事はほとんどのブレイクで見られる。そのポイントの自然な状態やそのポイントに入っているサーファーの態度、レベルなどによって大きく変わる。
c.リーフブレイクでのテイクオフポジションは一定の場所で決まっている。理想はそれぞれのサーファーが波に乗る順番を守る事だ。これは周りが仲間だけなら簡単な話だが、深いポジションにいるサーファーがどんどん波に乗っていってしまうので、 混んでいるポイントでは難しい。
d. マナーは次のような状況で変わることがある。波を読む事に長けているサーファーは余分に波に乗れる事が多い、また狙っている波に乗るチャンスが多い。もしセットを順番に待っている状態で、サーファーAはインサイド寄りにポジションをとっている場合は他のサーファーはサーファーAを小さめの波に乗せるべき。しかしサーファーAは奥で割れるセットに乗れる権利はない。順番を守っている状況ではよいポジションで順番を守って波に乗る事はそれぞれのサーファーの義務。
e. 2、3のセクションがあるポイントブレイクではそれぞれのセクションでグループが作られ、リーフブレイクの様に順番に波に乗り始める。もし奥のセクションからサーファーが波に乗ってきていて、その波を更に乗っていけそうな場合は他のサーファーは邪魔をしないようにするべきだ。もっともよくある最悪のマナー違反は、他のサーファーが乗ってきているのにその波にパドルをする事だ。サーファーAは奥から波に乗ってきている、そしてサーファーBはサーファーAがセクションをメイクできないと思い、その波へパドルを開始。サーファーAが近くに来たためサーファーBはパドルを止める。サーファーBのパドルのおかげでリップは崩れ始め、結果としてサーファーAの前で波が崩れてしまう。サーファーAはワイプアウトまたはスープに捕まる。波は誰にも乗られないまま崩れていく。サーファーBの迷惑パドルの結果だ。
f. ポイントブレイクやリーフブレイクではサーファーが奥過ぎるポジションや全く外れているポジションにいて、セクションを無駄にしてしまったり、行こうとして行かない事で他の待っていたサーファーが波に乗れず誰にも乗られない波にしてしまうことで、そのポイントでの雰囲気が壊されてしまう。これはいつでもそうだが、前乗りを引き起こしてしまい、奥のポジションのサーファーの失敗を予期してショルダーで待っているサーファーたちが波の取り合いを始めてしまう。
いつでも思うことだが、最初はショルダー側でテイクオフして行き、自信がついてからピーク波にアプローチしていくのが正しいように思える。
g. ビーチブレイクではブレイクするポイントが変わりやすいのでテイクオフポジションが散らばる為、たくさん波に乗れるだろう。従ってそれぞれのサーファーが決まった順序で波に乗れる。気にしておいてもらいたい事は、もし違うブレイクへ移動するなら、違う雰囲気、ルールが存在している事に気を配ることだ。そして他のサーファーと波を分かち合えるポジションへ移動する準備を速やかにし、学習し全員が楽しめるように気を配ること。
h. ビーチブレイク、リーフブレイクではピークでのマナーも必要。もしライトにもレフトにも行ける、良いポジションにもう一人のサーファーといたら、ピークをそのサーファーと分け合うべき。つまりライトへ乗ったらもう一人はレフトへ。それには乗る前に確認し合う事がキーポイント。両方のサーファーがお互い反対に行くなら良いが、もう一人のサーファーが前乗りを許していない限り確認した方がよい。お互い声を出して確認し合い、素早くどちらへ行くか決めると無駄な波が減り、結果多くの人が満足できる日になるだろうから。
i. 岬等のラインナップへ行く方法は、岩から飛び降り、ポイントの沖からパドルしていく等があり、すぐにテイクオフポジションへ行けるが、そのような場合はいきなりテイクオフポジションに行き順番をかき乱さない。先にいたサーファーが波に乗って、ラインアップがクリアになってからテイクオフポジションへ移動。または大回りしながら先にいるサーファーたちを気遣いながら、徐々にテイクオフポジションへ移動する事。fに通じる同様なことだろう。
j. 時々ラインアップに待つ人が多すぎて、波の数と人の数が合わない事がある。そんな場合は順番を守るという思いやりからかけ離れしまいがち。ラインアップは“乗ったもの勝ち”的な雰囲気になり、そこには秩序や規則はなくなってしまう。そんな場面では何がそこで起きているのかを判断し、自分をそこに合わせる事。もしできないなら、他のポイントへ移動した方が楽しく波に乗れることになるだろう。
(6) どんな時でもサーフィンレベル、道具、地位に関係なく、ラインアップ上の雰囲気を壊さない。
時間、日付、ブレイク、またはサーファーの態度でラインアップの“バイブ(雰囲気)”は大きく変わってしまう。その日の楽しさは“雰囲気”による影響が大きい。とりわけ、サーファーによる影響がほとんどだろう。普通に話している、それだけでラインアップの雰囲気は豹変することもある。一日のサイクルによって同じブレイクでも時間がずれるだけで様子が大きく変わる。朝一番、遅めの朝、昼時、または仕事後の夕方など、一日を通して状態が全く変わる事はサーファーならよくわかるはずだ。
ラインアップの“雰囲気”は時間帯だけでは予想しにくい。推測だけでいつも決めつけるのは良くない。例えば、ポイントブレイクやリーフブレイク等のテイクオフの位置が一定の場所では、サーファーは波を分かち合うように自然と流れや順番ができる。もしそのラインアップに一人、無意識にその流れを潰してしまうと、そんな理想的だった流れは豹変し、憎しみまでもが起きてしまったりもする。
従って海に入る前は、ラインアップの“雰囲気”を読み取ってから常に海に入る様に心がける。例えば、海から上がってきたサーファーに聞く。「混んでいるように見えますが雰囲気はどうでした?」、「いい波に乗れましたか?」などの簡単な質問でラインアップのインフォメーションを知る事ができ、事前にトラブルから避けられる。
波に貪欲なサーファーが多いラインアップでは叫んでいる声が聞こえるだろう。そんな時は一つの波に一人がパドルしている事はないだろう。きっと常に何人かのサーファーが波に乗ろうとしているのが映るはずだ。簡単で素速くそれを見極める方法はある。10分間そのブレイクを観察するといい。メローなラインアップではそれぞれのサーファーが邪魔する事なくパドルアウトして、また誰にも乗られない波があり、それはきっとあなたの波になるだろう。
どんな場合でも、パドルアウトする時はラインアップの“雰囲気”に合わせるのはあなたの責任。もしその雰囲気に合わせられそうもないなら、他のブレイクで自分にマッチしそうな場所を選ぶべき。
(7) トラブルに巻き込まれているサーファーを助ける。しかし自分も巻き込まれない様にする。2人のサーファーがトラブルに巻き込まれ、助けを求めるのは一人が求めるよりも深刻な事態を招く。
場所や時間によって事故が起こってもすぐに手当を受けられるとは限らない。また、助けを求めても助けられなければ最悪の事態を招く。
身体的な安全を最優先させる。
海の中では陸の様に医者の手当を待っていられる訳ではない。海は絶えず変化し、流れ動いている。従って、他のサーファーがトラブルに巻き込まれている事をすぐに見つけられるとは限らない。結果、他のサーファーがトラブルに巻き込まれていたら、すぐに何かしら助ける為に動く事が大事。ひとりのサーファーが助けに行ったら、他のサーファーを呼びチームワークで働こう。サーフボードや波の力を利用し、怪我を負っているサーファーをすぐに岸へ上げる。ただしチームワークが常に早いとは限らない。トラブルに巻き込まれているサーファーと同じ境遇に自分が巻き込まれない様にすることも念頭に入れる。
初心者は人のいる場所でサーフィンするべき。つまり絶対一人でサーフィンはしない。海でのトラブルはいつ起こるかわからないから。
(8) 旅行で訪れたサーフブレイクではローカルサーファーへのリスペクトを忘れない。彼らの権利や習慣が常に自分のルールが当てはまるとは限らない。
ローカルとはそのブレイクのそばに住んでいるからだけでなく、そこの為に様々な事をやってきて、長い歴史を見守って来た人達だ。波が最高の日から最低な日、人が混んでいる日から空いている日。うねりの大きかった日。プロサーファーが訪れセッションした日。あなたがすばらしい波でケリー・スレーター、トム・カレン、もしくはジェリー・ロペスさんになったつもりでサーフィンできるのは、全てはローカルサーファーがその海域を温かく見守ってくれたからこそである。ローカルから波を分けてもらえない原因はあなた自身による事が多い。
いつもサーフィンしている場所でのルールが旅先で当てはまるとは限らない。旅に出ると考えや習慣の違いがビジターとローカルの間にあり、それがトラブルの原因にもなりやすい。従って、トラベルサーファーに重要な事は、初めて入るポイントのエチケットやルールをよく観察し知ってから入る事。
a. 時間を取ること。何時間、何日運転したもしくは何時間飛行機に乗ってそこに着いた等は関係なく、基本的なルールは同じ。慌てずにラインアップを最低1時間は観察し、乗られていない波が何本あるか、どのエリアにサーファーがいて、どの波に乗っているか、誰が波に上手に乗るのか等を頭に入れておく。
b. 大人数で旅をしない。行き先のポイントに大人数で入る影響を考える。3人の楽しいブレイクに5人のサーファーが現れ、入っていった場合はラインアップの雰囲気はがらりと変わってしまう。もしそんな人数で新しいサーフブレイクに行くなら、海の中での人数に細心の注意を払う事。そして時間差をきちんと取る事。海に入っていたサーファーが一人上がってきたら、一人分のスペースが空く。そうしたら一人入る。もし何人かすでに入っていたら、その人数から25%以上人が増える事を避けなければならない。
c. ローカルのペースに合わせる。世界のほとんどのポイントで似通った基本的なルールがあるが、そこには何百ものローカライズされたエチケットが存在する。いくつかのポイントではドロップインですらオーケーとされている。そういったポイントではそういう行為を受け入れてサーフィンするかは自分次第だ。周りのサーファーにリズムを合わせ譲ってくれた波に乗る、もしくは波を譲る。そうしていくうちに、ラインアップの様々な雰囲気を良く観察し、ローカルの行動を読み自分の役割を全うする。
d. ローカルサーファーを馬鹿にしない。自分たちよりレベルが低いなど関係ない。そのブレイクを乗っ取る気持ちで入ると、ローカルは確実に優れたその場所の知識を生かし、あなたを困らせたり、ストレスを与えるような行動に出るだろう。もしそんな事をやり続けてしまうと、みんなの楽しみを台無しにしてしまう。ローカルサーファーがあなたの行動に満足し、セットを譲ってくれる様になるまで、謙虚になりローカルサーファーのペースに合わせよう。
e. ポイントをきれいに残して去る。ゴミだけの事でなく、いろいろな意味できれいに去る。そのポイントから去る時は良い印象を残していく。海の中でかっこ悪い事やマナーの悪い事をやってしまうと次にやってくるトラベルサーファーへローカルは不信感を持ってしまう。従って、サーフィンした後は、そのポイントを分かち合ってくれたローカルにありがとうの気持ちを忘れずに、誤ってドロップインしてしまったら忘れずに謝る。そうすればローカルは気持ちよく迎えてくれるだろう。シンプルなエチケットやマナーを守っていれば誰でも気持ちよくサーフィンできるのだ。
(9) 他のサーファーに悪態をつかない。例えばサーフボードの長さ、波乗り能力、レベル、ローカル知識や権限、そして身体的強さ等を利用して他のサーファーを罵らない。
自分に有利な点がある事を進んで理解し、複雑なこのエチケットを理解する。全てのロングボーダーではどこでもショートボーダーよりもパドルが早いのを理解して、ラインナップに加わる事。あなたが顔馴染みのローカルが多くても、プロサーファーだったとしても、喧嘩好きなマーシャルアーツの達人でもだ。
どのサーファーでも海に入れば波に乗りたい、その為に自分の持っている有利な点を使いたがるのは自然な事だ。でもこう考えます。あなたよりも大きな有利点を持っている人がいる。例えば体つきも大きく、うまいロングボーダーだったとする。その人はその場所での権限もあり、生まれつき短気で強欲で、来る波は全部乗る。あなたはこの人と同じ場所で波乗りしたいですか?私の答えはノーです。
「サーフィンは楽しむのが一番」という世界があります。その反対側には弱肉強食な競争があります。それは避け、その競争の一部にならないようにしましょう。
従って、サーフィンエチケットとして、自分の有利な点を認識し、適切な行動をしましょう。ここでその有利な点と適切な行動を紹介してみます。
a. ローカルサーファーは常に他のサーファーが波に乗る権利がある事を理解するべきでしょう。それが波への知識を高め、責任と同様、利点もある事を理解するのです。責任とは波を分かち合うリズムへと導き、他のトラブルを起こしそうなサーファーに気をつけることにもつながります。年上のサーファーが年下のサーファーに威張り散らしていたら止めさせる、そして子供のサーファーや初心者のために波を待つ位置やカレントを知らせてあげる。これらの責任を守る事により、利点がもたらされるだろう。(ピークにいる全員が初心者に邪魔されなくなる)しかし状況を無視し続け、エゴだけでローカルが波に乗り続けると、そこの雰囲気は最悪になるだろう。
b. 先にも書いたが、ロングボーダーはパドルが有利だという事を認識すること。もしそれを乱用すれば、他のサーファーから恨みや敵対心を買う事になる。ロングボーダーは波を分かち合う雰囲気により気を使わなければならない。そして全体の楽しもうとするリズムを壊さないよう注意する。ショルダーからそのパドルスピードを利用して早くテイクオフし、ショートボーダーのテイクオフポジションを巻いて(フェイド)乗って行くのは最悪のエチケットだ。
c. プロサーファーがどこでも他の誰よりも有利なのはあきらか。パドルスピードや波のチョイス、奥からテイクオフできる能力。そこでプロサーファーは常に他のサーファーたちがコンテストの経験があるのではない事を良く理解すること。またプロサーファーが周りにいると、他のサーファーは緊張したり、自分のサーフィンを恥ずかしいと思ってしまう事もある。あなたがプロサーファーやいいサーファーならば波を譲ってあげたり、礼儀正しくすることでブレイクの雰囲気はさらに良くなるだろう。
d. 体の大きい、もしくは年配のサーファーは存在だけで若いサーファーが引いてしまうことがある。従って、他のサーファーが怖がるような行動は避ける。これはCに挙げたプロと同様で、その場所での雰囲気を良い方向に持ってくためにいつも努めるべきだ。
(10) 旅先では地味な色のウエットスーツを着用する。
これは目立たないように、という意味です。もしあなたが蛍光色や単色で明るい色のウエットスーツを着ていたら、遠くからあなたがラインナップにやって来ることがわかるでしょう。あなたのマナーを見せる前に「キザな奴」というレッテルを貼られてしまうのを防ぎ、また標的にされることを避けるためです。またカリフォルニアではプロサーファーだけが色つきのウエットスーツを着ても良い、という暗黙の了解があります。
(11) 常に自分のボードには責任を持ち、他サーファーに注意する。
もしこれを無視すると、人に怪我をさせる事にまでなってしまう。それを避けるには絶対に板を離さない。リーシュコードを頼ってボードを離し、スープを避けようとするのは人がいない時のみにする。自分のすぐ後ろにいるサーファーにも気を配ること。もしリーシュが切れてしまえばそのサーファーは怪我を追う事になる。特にロングボードやガンを使う人は注意する。セットが来るたびにボードを離している、また離さなくてはいけないようなコンディションは自分には合っていないブレイクだという事を認識すること。
板の手入れをする。鋭利なフィンは紙ヤスリで丸めておく、ガラスクロスが割れたままの状態、またノーズが壊れたままというのは他サーファーを危険にさらしているのだ。その傷がリーシュコードを切れやすくし、ボードを流す原因にもつながるのだ。
(12) もし人のサーフボードを壊した場合はリペアをする、もしくはお互いが納得するまで話し合うこと。
(13) リラックスしてサーフィンを楽しむ。
世界中どこに行っても他サーファーは入ってくるのだから、それを受け止めて気持ちよく楽しむ事がキーポイントです。
全米#1サーフサイト、サーフラインコムのDrew Kampion曰く、“人生とは波で、あなたの態度があなたのサーフボードだ” と表現しました。混雑したラインアップでは、個人それぞれのポジティブな行動で雰囲気は落ち着くし変化する。自然にポジティブな態度を取れる人も入れば、そうでない人もいる。これは真実で、海陸の上の態度は作られるのであって、勝手に生まれることはない。ここでそのポジティブ(=前向きな、高度な)ヒントをいくつか紹介する。
一つの場所にこだわらず、様々な場所でサーフィンする。そうすることにより、自動的に混雑中での読みやどう対処するかを各地のサーファーから学べる。
ラインアップの中にいる他のサーファーも自分と同じで波に乗りたいという気持ちは一緒という事を理解する。これには意識的な努力が必要とされる。どのサーファーも本能的に波に多く乗りたい。しかし「他のサーファーにも自分と同じくらい波に乗り、楽しみたい」と自分に言い聞かせる。そんな態度から自分に余裕ができ、混んでいてもその余裕を持つことによって楽しさにどれだけの違いがあるか驚くでしょう。
スマイル。特に年配のサーファーがやると良いです。駆け出しサーファーのマナーの悪さやスキルの無さに苛つき、耐えられないこともあるかもしれないが、怒鳴ったりすることでラインアップに怒りと恐怖をもたらし自分のサーフセッションも台無しどころか、ラインアップの雰囲気も悪くなる。初心者サーファーは恐がり自分の身を守る事だけでサーフィンする事になってしまう。しかし優しい言葉やアドバイスをしてくれた人の事は忘れません。そしてそれが次のサーファー達へと受け継がれていくのです。
これが私達が教えられる混み合ったラインアップの中で楽にいられる方法です。
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